36歳の時に見つかった7cmの子宮筋腫。46歳でグレープフルーツ大の11cmになるまで育ったので、思い切って卵管切除と子宮全摘の手術を受けました。
手術前は、散々周りの手術経験者に「痛いですか?どうでしたか?」と尋ね回り、みんな「大丈夫よ、手術なんて寝てれば終わるんだから!」と言ってくれました。
「本当かしら…」
でも、手術経験も出産経験もないわたしには、術前の浣腸さえ恐ろしくて恐ろしくて。手術前は、まるで夜中の廃病院の中を懐中電灯を持たずに歩いているような気持ちでした。
聞いても何も解決しないけど、ひとりでも多くの人に体験談を聞きたい。そんな貴方のために、わたしが経験した手術までの道のりを振り返ります。
手術前の治療
わたしは開腹手術が嫌だったので、腹腔鏡手術にしました。腹腔鏡手術だと術後の負担が少ないんです。(とはいえ、開腹手術と比較しても入院日数の差は1〜2日程度)
子宮全摘手術をする前に、まずは腹腔鏡手術にするために子宮筋腫を小さくする「リュープリン注射」を打ちます。
普通の注射は腕に打つけど、リュープリン注射はおへそを中心にして斜め上。1回目が右斜め上なら2回目は左斜め下、3回目は右斜め下、というように左右交互に1月1本づつ合計4回(4ヶ月間)。(子宮筋腫のサイズによって注射の回数は変わります)
わたしの場合は副作用はほとんど感じませんでしたが、人によって更年期障害と似たような状況になるそうです。
実は、リュープリン注射を打てる期間は最大6ヶ月。6ヶ月以内に子宮筋腫が小さくなってくれなければ、開腹手術になっちゃうんですよ。手術が近づいてくる怖さに加え、開腹手術になったらどうしよう!?という恐怖心と戦ってました。
そして、手術の1か月くらい前に「術前検査」(検尿/採血/心電図/肺機能/肺とお腹のX線検査)を受けます。プチ健康診断みたいな内容なので、怖がるようなことはありません。
入院前日〜入院初日
入院前日は、おへその掃除をして、寝る前に下剤(センノシド)を2錠飲みます。寝る直前まで「あんまりソワソワしないであなたは いつでもキョロキョロ〜♪」ってな具合で全く落ち着きませんでした。
入院当日の朝は病院に到着すると種々の説明を受けて、診察と剃毛(陰毛を剃る)とおへその掃除をされます。おへその掃除は前日ちゃんとやったのですぐに終わりました。
その後は11時にドリンクの下剤、15時に錠剤の下剤を1錠。夜から流動食になり、水分は水とお茶のみになります。
初めて流動食を食べたんですけど、あれは「食」じゃないです。お粥を10倍薄めた感じで、固形物はほとんどありません。「まずーい!もう一杯!」なんて青汁のCMのような気分にはなれません。
明日手術と思うだけでもブルーな気持ちなのに、昼間の下剤と流動食でブルーを通り越して漆黒な気持ちになりました。
手術当日
朝食抜きで、手術の4〜5時間前に胃酸を抑えるための胃薬を飲みます。この、胃薬を服用するために飲む水が手術前に飲める最後の水なんですよ。そして、手の甲には点滴に備えて痛み止めの麻酔テープが貼られました。
そして、手術前の最後の仕上げが浣腸です。
前日から飲んでいる下剤と浣腸のダブルパンチは凄まじい効果を発揮!水道の蛇口を一気に開けたような具合です。
浣腸後は漏れなく看護師さんの便チェック。う○ちした後を人に見せるなんて、この時生まれて初めての経験しました。でも、世の中のお母さん方は出産前に浣腸するんですよね。ほんと、母は強しって感じ。人間を産み育てるって凄いです。
話をもとに戻して、浣腸後は手術が終わるまで何も口にできません。術衣に着替えて医療用のストッキングを履いたら点滴が始まります。
手術時間になったら、手術室の手前あたりで下半身の麻酔と全身麻酔の2種類を行います。
そしてその後は全く記憶がなく、次に気がついたのは病室に戻る途中でした。手術は麻酔で気を失っている間にあっという間に終わります。実際には数時間手術をされてるからあっという間に終わってるわけなんてないんですけどね。笑
手術後
術後から翌朝まで、1〜2時間おきに検温と血圧測定を受けます。その時間でわたしが熱を出したのは1回だけすが、実は術後の状態は人によって相当差があるそうです。
入院3日目の朝から、徐々に日常生活に戻り始めます。ベットの上で歯磨きをして、やっと水が飲めるようになりました。2日ぶりの水は本当に美味しかった〜!なんて言いたいところだけど、疲れ果てているので水が美味しいとかそんな感情は湧きませんでした。笑
お昼前に尿の管が外れて、夕方には点滴が外れて、痛みがなければ部屋の中を自由に歩き回れるようになりました。…実は、わたしは看護師さんが感心を通り越して驚くほど術後の経過がよかったんです。
それから6日目までは散歩したり、体力開腹に努めて過ごします。多少の不便さはあるものの、4〜7日目は3食昼寝付きのゴールデンウィークみたいなもんでした。
退院前日(まとめ)
退院日前日は、退院して問題ないのか確認するための検診をします。膣の状態確認のため内診もありました。わたしは膣を縫っていたので、内診がめちゃくちゃ痛かったです。溶ける糸を使っているので抜糸はありません。
で、術後の検査も問題なかったので、翌日にめでたく退院。用心のためそれから1週間は家で安静に過ごして会社に復帰しました。
冒頭に言いましたが、手術前に周りの手術経験者に聞いた話では「手術なんて寝てれば終わるんだから!」でした。そう、手術自体は全身麻酔しているから寝てれば終わるんです。
みな「手術前が死ぬほど辛い」ということは話してくれませんでした。それを話せばわたしが怖がって手術しなくなるかもしれない、と思ったそうです。
会社に復帰してから、「ほんとに手術はあっという間に終わって、寝て散歩して3食昼寝付きの極楽生活でした」と話すと、唖然とされたもんです。笑
これから手術を受けるのはめちゃくちゃ怖いと思いますが、手術が寝てる間に終わることだけは保証します。手術が終われば、面倒臭い生理ともお別れ!プールも温泉も旅行だって、生理を気にせずいつでも行けます。
1日も早く快復できるよう、福岡の片隅からあなたのことを応援してますよ。治療・入院費用が気になる方は、こちらの記事も参考にしてください。