「imaginary happy」はハッピーエンドばかりのショートストーリー集。読んでほっこりなれるブログです。

駐車場に捨て置かれた蕪(かぶ)

冬のある日。
駐車場の入り口に、ポツンと蕪(カブ)が置かれていました。

そこにいる楽しさ

今々あるところに、中サイズの蕪が捨て置かれていました。

駐車場の入り口のすぐ目立つところです。

どうやら人は、普段見ないような面白い落し物を拾うと、駐車場の入り口におく習性があるようです。

国民総潔癖症の国・日本では落ちた食べ物を拾うなんて恥ずかしいのでやりません。

そんなわけですから、蕪は誰からも拾われることなく、ずっとそこにいました。

蕪はほんの少し寂しい気持ちでしたが、通りかかる人々が蕪を見てクスッと笑って見ていくのを楽しむことにしました。

月日は流れ、翌年の冬。

地元テレビ局で、小さなニュースが流れました。

「なんと、駐車場か蕪が生えてきました!
コンクリートに栄養分があるのでしょうか?
すごい生命力ですね。」

今年は沢山の人が立ち止まって蕪のことを見に来てくれます。

中には「映えるぅ」なんて言いながら、インスタにあげる人も。

その年の蕪は、去年よりもっともっと楽しく過ごしました。